さて、桜花賞が終わりました。
勝ったのは2番人気の「デアリングタクト」でした。
ちなみに”daring”が「大胆な」という意味で、デアリングタクトは「大胆な戦法」という意味だそう。まさに馬名の由来の如く、大胆に大外一気を決め、圧倒的な力を見せつけました。
大雨が降る中、重馬場を一頭だけ次元の違う脚で追い込んできましたね。
前走の時計があまりにも良かったため、重馬場でのパフォーマンスを疑問視する声もありましたが何のその。むしろ、相対的に強さが目立つ勝ち方となりました。まぁ、父が重馬場で圧倒的なパフォーマンスを見せたエピファネイアなので、重馬場をこなす可能性は十分ありましたよね。割とピッチ走法の馬ですしね。
それにしても、この馬が前日まで1番人気だったことが最近の馬券購入者のレベルを表していますね。もちろん期待込みのオッズだったんでしょうけど。
まず、簡単に桜花賞を振り返りましょう。
2020年4月12日 第80回桜花賞(GⅠ)
ペースが34.9-38.1なので、3.2秒のハイペース。重馬場の中でかなり飛ばしましたね。まぁレシステンシア武豊としては、切れ味勝負が分が悪いことは分かっていたと思うので(まぁこの馬場なら、そもそも切れ味勝負にはならないでしょうが)このようなペースになったのでしょう。スマイルカナも前走逃げずに良いところがまったくなかったので、いっそのこと逃げてしまおうという感じですかね。
レースの上がりが38.1秒かかっている中で、デアリングタクトの上がりタイムが36.6秒。上がり2位の脚を使ったクラヴァシュドールが37.1秒なので、0.5秒の差があります。いや、これは強い。ただ、クラヴァシュドールも道中かなりの不利があっての4着なので、見た目以上に強かったと思いますけどね。
ここからは、デアリングタクトの将来性について考えたいと思います。
デアリングタクトの強さは既に証明されていた?
2戦2勝で、まだ半信半疑の部分が多かったデアリングタクトですが、実は新馬戦、エルフィンSともに、あのアーモンドアイと同じようなパフォーマンスを見せていたのです。どの部分がアーモンドアイと似通っていたのかというと「加速ラップを差し切っている」という点です。
レースラップが加速ラップを踏んでいるということは、前の馬が決して止まっているわけではないレースの中で、前にいる馬を差し切っているわけなので強さが目立つのです。前の馬がバテて、ペースが落ちたところを差し切るのが普通の差し馬ですが、前が止まっていない中で差し切るというのは、並大抵の力ではできません。デアリングタクトは新馬戦、エルフィンSのどちらでも、この展開の中で差し切るというパフォーマンスを見せていました。
まずは、アーモンドアイのシンザン記念から。
レースラップが12.1-11.7-11.5となっています。
実際、2・3着馬は逃げた馬と2番手の馬なので、決して前が止まっているわけではありません。
しかし、この時はアーモンドアイも2.9倍ついていたのですね・・・
続いて、デアリングタクトの新馬戦とエルフィンSを見ていきましょう。
新馬戦のラップが12.2-11.7.11.3で、それを差し切り勝ち。
まぁ取り立てて強いというほどでもないですが。
続いてエルフィンS。
このレースが12.0-11.7-11.4のラップで、それを差し切り4馬身差の圧勝。相手も決して弱い相手ではないですし、この時点で一躍主役候補に躍り出たという感じですかね。
まとめ
デアリングタクトは父エピファネイア、母父キングカメハメハですから、長い距離も十分こなせるでしょう。
この馬の懸念材料は、内で揉まれた時どうか。究極の切れ味勝負になった時にどうか。ですかね。
レースぶりを見ていると、馬群を割るというよりは、すべて大外を回して差し切る展開です。多頭数で内枠になった場合、外に出すロスなどを考えると、まだ付け入る隙はありそうです。
あとは、切れ味という点においては、スパッと究極的に切れるというタイプではないように思います。むしろ、今回の桜花賞で重馬場への適性が思ったより高かったので、パンパンの良馬場で究極の切れ味を求められたときにディープインパクト産駒に切れ負けする可能性はあると思います。
ただ、松山騎手はいまやトップクラスに信頼できる騎手になりましたし、この2点をうまく克服できれば、あわよくば3冠も見えてくる素材ではないかと思います。今後の「デアリングタクト」の活躍に注目ですね。