藤沢和雄厩舎の馬は重馬場、不良馬場では走らない・・・
私の周りでは、そういった噂が出回っております。
噂は噂で片づけるわけにはいきません。真実を解明しましょう。
そもそも、藤沢厩舎の馬って人気になりがちなんですよね。良血馬も多いし、外国人ジョッキーが乗りがちだし。そんな人気馬の取捨選択ができれば、馬券の回収率向上にも貢献するはずです。今回ハッキリさせましょう。
藤沢厩舎の馬場状態別重賞成績(4月5日週まで)
良馬場では1-1-3-6で複勝率45.5%。
稍重以下では0-1-0-5で散々たる結果・・・
稍重以下の結果を詳しく見てみましょう。
こう見ると、グランアレグリアって相当強かったんだなあ、と。
展開向かない中で唯一差してきてますからね。まぁでも、グランアレグリアの過去のパフォーマンスを見ると、明らかに超高速馬場でのパフォーマンスの方が高く、良馬場が良いのは明らかです。そもそも、このグランアレグリアも3着入線ですからね。降着で2着になっただけで、今年だけで見ると、連対していないといっていいでしょう。
このデータを調べて「どうせ、人気のない能力ない馬が負けただけなんでしょ。」と思いきや、ほとんどの馬が3番人気以内の人気馬。しかも、負けるときは1秒以上の大惨敗です。
藤沢厩舎の馬を切れるメリットは「人気馬を切れる」点ですね。
ちなみに、昨年の成績も入れた藤沢厩舎の重賞成績はこちら。
稍重だったら、何とか見れる成績になりましたね。
ただ頭で買うのは、やはり良馬場ですね。
ちなみに、今日の桜花賞のサンクテュエールの成績は入っておりません。桜花賞の馬場状態は「重」。サンクテュエールは3番人気6着でしたので、また1例データが加算されたということです。
藤沢厩舎の代表馬の成績を見てみよう
さて、具体的に藤沢厩舎の馬の成績を見てみましょう。
まだまだ現役の4歳馬「コントラチェック」
ノーザンファーム生産馬でディープインパクト産駒。良血馬が集まる藤沢厩舎の典型的な馬です。
この馬も稍重の新馬戦で3着に始まり、良馬場の未勝利戦で勝利。稍重で2着。稍重の秋華賞で15着。不良馬場の中山牝馬ステークスで16着と。まぁ、ここまでクッキリ明暗が分かれるものですかね。
こちらも現役馬「アルーシャ」
順調に良馬場を走り続け、オープンまで勝ち上がり、1回目の京都牝馬ステークスは0.3秒差の4着。その後、良馬場でOPレースを勝利し、稍重で3着。そして2回目の京都牝馬ステークスでは重馬場で17着と大惨敗。前年、0.3秒差の4着なので決してコースが向かなかったわけではないはず。
続いて、こないだの有馬記念で引退した「レイデオロ」
藤沢厩舎の歴史の中でも上位に入る名馬です。
キングカメハメハ産駒は基本的に重馬場に強い馬が多い(エアスピネル等)のですが、藤沢厩舎に入ると、なぜか良馬場でしか走らなくなります。重馬場の京都記念で1番人気3着、1回目の有馬記念でも稍重で1番人気2着と勝ち切れず。正直、この時の絶対能力はNo.1だったと思うのですが、良馬場では負けないブラストワンピースに負けてしまいました。そして、良馬場ではありますが、梅雨時で馬場が荒れている宝塚記念で1.3秒負けの5着。重馬場のジャパンカップでは1番人気11着と大惨敗。
どうでしょうか。
個別に見ていっても、明らかに良馬場の方がパフォーマンスの高い馬ばかりです。
藤沢厩舎の馬が良馬場以外で走らない訳
なぜ、藤沢厩舎の馬が良馬場以外で走らないのか分析してみました。
私が思いついたのは
・藤沢調教師が重んじる「馬なり調教」
・ノーザンファーム生産馬の良血馬が多い
この2点につきると思います。
藤沢厩舎のことをすべて知っているわけでは、もちろんありませんが、一度NHKの「プロフェッショナル~仕事の流儀~」という番組で藤沢調教師の特集を見たことがあります。その中で印象的だったのが「馬の意思を尊重する」という点でした。
その番組での藤沢先生の印象は「とにかく優しいおじさん」でした。
イギリスで競馬を学び、日本の主流の調教方法である「ビシビシ厳しい調教」ではなく、馬の気持ちに合わせた「馬なり調教」を重んじて、目先の1勝ではなく、馬の一生を大事にするという藤沢先生の揺るがないポリシーがあります。
つまり、馬場コンディションが悪い場合は無理をしないという考えが、馬にも浸透しているのだと思うのです。
そしてもう1点、今や名門の藤沢厩舎にはノーザンファーム生産馬の良血馬がたくさん入厩します。
ノーザンファーム生産馬は、綺麗な馬場で走ることに長けた馬ばかりです。特にディープインパクト産駒は、綺麗な馬場で切れる脚を発揮することを得意としています。そのような馬が多くいる藤沢厩舎が重馬場を不得意としていることは、ある程度納得がいくのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
とりあえず、藤沢厩舎の馬は悪い馬場コンディションでは買うな!という結論です。
是非参考にしてみてください。