桜花賞の出走予定馬の分析を行っています。
PART2はこちら。
シェーングランツ
父:ディープインパクト、母父:Monsun、生産者:社台ファーム
この馬は分かりやすい馬で、1600mだと忙しくて、エンジンがかかった頃にはレースが終わっている印象。一度、シェーングランツについて記事を書いたので良ければこちらをどうぞ。
まず、この記事で危惧したように、5着に敗れたチューリップ賞を振り返ります。
2019年3月2日 チューリップ賞 阪神芝1600m
ペースとしては47.8-46.3でスロー。
状態がどうだったのかは分からないが、明確に切れ負けしていた。上がり3位タイの脚で追い込んでいるので、悪くはないのだが、11.0の地点の脚を見ると、明らかにシゲルピンクダイヤの方が上だった。
コーナーで前にいたドナウデルタが早めに仕掛けたので、進路が恵まれた中でのこの結果なので、正直かなり物足りないレースだった。キレというよりは、長く脚を使うイメージなのかなと思う。
2018年10月27日 アルテミスS 東京芝1600m
ペースが46.2-47.5で-1.3のハイペース。
このレースもそうなのだが、勝利した未勝利戦も、前半の方が後半より早いレースラップだった。末脚の絶対量は、あまり突出していないが、他馬が前半に脚を使った上での後半勝負なら相対的に走るということだと思う。
このレースにしても、33.8秒の脚を使っているが、あくまで前半のペースが流れたことで、他馬の切れ味が削がれ、相対的に良い脚が使えたということだと思う。おそらく、スローからの瞬発力勝負では分が悪いんじゃないかなこの馬。チューリップ賞で、それは確信できた。
桜花賞に向けて
結局、1600mだと距離が足りないんじゃないかというのがまず1つで、最低でも外枠が欲しい。さらにペースが流れてくれるという条件が付くので、ちょっと狙いにくい一頭ではある。
ビーチサンバ
父:クロフネ、母父:サンデーサイレンス、生産者:ノーザンファーム
重賞、GⅠでも善戦が続くビーチサンバ。本番で一気に桜の女王へと昇り詰めるか。
この馬もバランスの取れた良い馬なのだが、逆に言うと突出したものがないとも言える。前走のクイーンカップを振り返る。
2019年2月11日 クイーンC 東京芝1600m
このレースは出遅れたからなのか、今までよりも極端に追い込む競馬を試した感じ。実際、ペースもかなりのスローなので、瞬発力勝負になった。ビーチサンバ自身、32.9秒の最速上がりを使ったが届かずの2着。ただ、クビ差といってもクロノジェネシスには見た目以上に余裕があり、瞬発力比べだとクロノジェネシスには明確に見劣るなという印象。
アルテミスSのような、ペースが流れた中でも、ある程度堅実な脚が使えているので、ペースによっての適性は問題なさそうだ。ただ、スローでもハイでも同世代で上がいるので(スローならクロノジェネシス、ハイならシェーングランツ)勝ち切るところまでは厳しいんじゃないかという見解。
グランアレグリア
父:ディープインパクト、母父:Tapit、生産者:ノーザンファーム
新馬戦では、ダノンファンタジーに完勝。サウジアラビアRCでは、出遅れるも0.6秒差の圧勝。その勢いで牝馬ながら朝日杯に出走し、1番人気に支持されるが、結果は3着。休養を挟んで、ぶっつけの桜花賞。素質馬の復活となるか。
うーん、いまいち捉えどころのない馬なんだが、おそらく高速馬場適性が高い馬なんだと思う。実際、グランアレグリア自身の朝日杯のタイムは新馬戦、サウジアラビアRCよりも遅く、多少力のいる馬場よりも、高速馬場の方がパフォーマンスが高いと言える。
2018年10月16日 サウジアラビアRC 東京1600m
確かに高速馬場だったのは確かだが、このラップは結構強烈で、最初の2ハロン以外すべて11秒台のラップ。このレースを見ても、速いラップを長く踏む力は相当のもの。母父Tapitで、母系が米国系なので持続力に特化したタイプと見ている。
桜花賞に向けて
朝日杯は、「初の右回り」「牡馬とのレース」「少し力のいる馬場」と割と言い訳の利くレースだったと思う。牝馬限定レースに戻れば、まだチャンスはあるはずだ。ただ、昨年のアーモンドアイは別格として、基本的に関東馬の関西遠征は厳しいものがあると思っている。慎重に判断したい。