今週は伝統の長距離重賞、「阪神大賞典」です。
メンバーを見て「おお…」となりましたね、正直。
フェイムゲームやアルバートがいない長距離界は、かなり層が薄い。大阪杯がGⅠに昇格した影響で、中距離層がすべてそちらに流れたのも大きいようで。ユーキャンスマイルといった、若い世代にとって代わるのも時間の問題でしょうか。
そういえば、シュヴァルグランは、なぜ今頃になって海外レースに行くんでしょうか。今の長距離界の層の薄さを考えると、間違いなく主役なんだけどなあ。
まぁそれはさておき、阪神大賞典の話に移りましょう。
阪神大賞典の傾向
阪神大賞典は、阪神芝内回り3000mで行われます。
このコースは、阪神大賞典でしか使われないコースなのですが、基本的に阪神内回りの傾向は同じです。
それは、「早め仕掛けの展開になりやすいこと」です。
阪神大賞典の過去10年のラップを見てみましょう。
過去10年で見ても、最速ラップが最後のL1になっていることは一度もなく、L2,L3がほとんど。去年に至っては、L4が最速です。つまり、仕掛けが早くなりやすく、出し切るレースになりやすいということ。一般的に出し切るレースの方が、強い馬が勝つ傾向になりますので、このレースは固い決着が多いレースになっています。
仕掛けが早くなりやすい理由としては、阪神内回りのコース形態が関係しています。
阪神内回りのコース形態とは
阪神内回りコースは、残り600m地点が4コーナーと3コーナーの中心くらいにあり、直線に入ってから勝負してもほぼ間に合いません。外回りであれば、残り600m地点が4コーナーの入り口ですので、直線でごぼう抜きということが起こったりしますが、内回りはそれがほとんどありません。
高低差を見ても、3コーナー入り口ぐらいから徐々に下っていくコース形態なので、必然的に3コーナーあたりからペースが上がるようになり、仕掛けが早くなるということです。
つまり、阪神内回りで大切なのは、「コーナーでの加速力」「器用さ」「長く良い脚を使える」といった能力です。これは大阪杯など、内回り2000mでも一緒ですので、意識しておきましょう。
では、今回の阪神大賞典で狙うべき馬はどの馬でしょうか。
穴狙いは禁物?1番人気「シャケトラ」の取捨はどうする
今回の想定人気をnetkeibaさんで見ると。
前走、長期休養明けのAJCCで見事1着になった「シャケトラ」が1番人気予想です。
正直、メンバーがメンバーだけに、ここでは格が一つ抜けていますかね。個人的に、関西での戸崎騎手にあまり良い印象はないのですが、馬の力だけを見ると抜けているように感じます。
前走のAJCCは、GⅠ馬「フィエールマン」を撃破。しかも、ペース的には最後の3ハロン戦、いわゆる瞬発力勝負でした。これはフィエールマンが得意とする展開で、正直この展開でシャケトラが正攻法で勝ち切るのには驚きました。
元々、日経賞で見せたように、外を回しても、長く良い脚を使える馬。しかしその後、使った「天皇賞春」では、最内枠でスタートに失敗し、出していくと掛かって大惨敗したように、やや折り合いに難がある馬。ただ、前走を見ても、スローペースをかかることなく折り合えていたので、年齢を重ねての成長も見込めそうだ。ここは軸は固いんじゃないかな。
阪神大賞典で狙うべき穴馬とは
では、狙うべき穴馬はというと、私は「コルコバード」と「ケントオー」にしたいと思います。
今週末は雨予報なので、少しタフな馬場を想定した結果、この2頭を狙おうかと。それぞれ見ていきます。
コルコバードの魅力
この馬の魅力としては、末脚が確かなこと。今までのキャリアで、上がりが5位以下だったことはありません。しかも、切れる脚というよりは長く良い脚を使える。これは、先ほど説明した阪神大賞典の傾向に合致する点です。
特に特筆すべきは、3走前の丹頂S。このレースは出入りが激しくなったことで、レースで一度も11秒台のラップを踏んでいないという、まさに持久力比べの一戦。リッジマンに敗れはしたが、後方から捲り気味にレースを進めて、上がり最速での2着。
勝ったリッジマンは、今回の阪神大賞典では2番人気想定。この時の丹頂Sで、リッジマンは52キロだったのに対し、コルコバードは53キロ。一方、今回はリッジマンは57キロなのに対し、コルコバードは54キロ。十分、逆転があってもいいかなと思います。
ケントオーの魅力
実は、ずっとどこかで穴を開けると思っている一頭。
2016年の6月まで遡らないと勝利がない当馬ですが、実は重賞でもそれなりに走っています。
前走の京都記念も、勝ち馬と0.2秒差の5着。去年の京都記念も勝ち馬と0.5秒差の5着。ディアドラやミッキーロケットにも先着しており、結構侮れないですよ、この馬。上がりタイムも結構上位の脚を使えていますし、想定ブービー人気ですので、3着狙いで買いたいですね。
馬場が悪くなるのも、この馬にとっては好都合で、激走している時はほとんど重馬場。まぁそもそも京都記念で好走するくらいですから、タフな馬場は得意なのでしょう。