今週は、GⅠの中休み(JBCがありますが)アルゼンチン共和国杯(GⅡ)です。
ズバリ、展開の鍵を握るのは「ウインテンダネス(松岡)」だと考えています。
まず、ウインテンダネスの成績から見ていきましょう。
ウインテンダネス
このウインテンダネスという馬を端的に言うと
「長く良い脚を使う馬。切れる脚は使えない。高速馬場巧者?」です。
私は、馬のペース適性を見るときに、RPCIという指標を参考にしています。
これは、最後の3ハロン(600m)ラップと、それ以外の平均ラップ(Ave-3F)を比べ、まったく差がなければ50。最後の3ハロン以外のラップに比べ、最後の3ハロンが早ければ数字が大きくなり、逆なら数字が小さくなるというもの。
なぜ、ウインテンダネスが切れる脚が使えないと判断したかというと、この馬の好走したレースと、凡走したレースの特徴を研究したためです。例えば、凡走したレース、前走の京都大賞典、2018年4月21日府中S、2017年11月19日1000万下の3つを見ていきましょう。
府中S(1600万下)
このレースのRPCIは、56.9。比較的上がり3Fが速いレースです。
見るべきポイントは、各馬の上がり3Fタイム。あまりどの馬も変わりませんね。つまり各馬、同じような上がりタイムを使っているということです。では何が勝敗を分けるでしょうか?そうですね、直線での位置取りです。つまり前にいたもの勝ちです。このレースで分かることは、ウインテンダネスが、相対的に切れる脚が使えないということです。「切れる脚=瞬間最大速度」と考えていただいていいでしょう。切れる馬というのは、速いラップが求められるレースで、他馬より相対的に速い上がりを使い、上位に来る馬です。今回のメンバーでいうとホウオウドリームのような馬(また別記事で紹介します)
ウインテンダネスは、この府中Sで33.4秒という上がりを使うことができていますが、これは相対的に見て、突出して速いわけではありません。しかも、ある程度後ろの位置取りだったにもかかわらずです。
というわけで、このレースの敗因は単純に位置取りですね。切れる脚を使える馬ではないので、差し切れなかった。それだけです。
1000万下
このレースのRPCIは66.4。いかに上がりに特化したレースか分かるでしょう。ラップ推移を見ても、最後の3ハロンだけ速いのが、一目瞭然です。まぁこのレースも以下同文ですね。位置取りの差が出たレースでしょう。まぁウインテンダネス自身も33.2秒の上がりを使っているので、これ以上の上がりを求めるのは、さすがに酷でしょうね。
京都大賞典(GⅡ)
このレース、ウインテンダネスが逃げたのですが、ラップで見るとL2地点からペースが上がっているのが分かります。つまり仕掛けが遅かったレースと言えます。この馬の好走レースを後で紹介しますが、この馬の良さは、長く良い脚を使うところ。この良さを消した騎乗になってしまいました。まぁそれを抜きにしても上がり36.1秒はバテすぎだし、休み明け、この開催の京都は時計がかかっていたなど、馬の状態が良くなかったこともあるでしょう。
続いて、好走レースを見ていきましょう。
緑風S(1600万下)
このレースのポイントは残り1200m地点から11秒代のラップを踏んでいるところ。
しかも、残り1000mを57.5秒というタイムで駆け抜けています。このタイムはかなり優秀。
目黒記念を見ても分かるが、この馬は、12秒ちょうど~11秒代後半のラップを維持する能力に長けている。
つまり、このアルゼンチン共和国杯。ウインテンダネスの仕掛け、ペース配分がレースのカギを握りそう。
ウインテンダネスは内目の枠から、できるだけ先行したいですね。次の記事では、ドスローで穴を開けそうな馬をご紹介します。