少し汚いタイトルになってしまいましたが、感じたことを書きたいと思います。
菊花賞を制したのは、ルメール騎手騎乗のフィエールマン。
実は日曜日、京都競馬場で観戦していたのですが、ゴールの瞬間、「おい、ルメールこれ持ってくるのか・・・」といった声が多く聞かれました。私も、その一人ですが(笑)
単刀直入に言いますが、今回の菊花賞のペースは異常です。
実際にラップを見てみましょう。
2018年菊花賞ラップ
過去10年の菊花賞のラップ
前半1000mの入りが62.7秒。
この時点で、極悪馬場だった去年を除いて、過去10年で一番遅いタイム。
まぁここまでは、まだ分かる。
そこから誰も仕掛けることなく、ペースが上がったのは何とL2地点。しかもそのラップは10.7。
10秒代のラップを踏んでいるのは過去10年の菊花賞で初めて。
ましてや、今開催の京都は時計がかかっていた。その中で「10.7」というラップがどれだけ異常な数字か分かるだろうか。
競走馬の中でも、究極の切れ味をL2地点で問われているのだ。
それが、上位入選した馬の血統にも表れている。
もともと、長距離のスタミナ勝負に向かず、切れ味を得意とするディープインパクト産駒が上位に来ているのだ。
1着のフィエールマン、さらに大外枠の12番人気グローリーヴェイズが5着に来ていることも、このレースの特異性を如実に表している。
そもそも、私が疑問に感じたのは、先行馬のジョッキーについてだ。
特に上位人気に推されていた、エポカドーロ、ジェネラーレウーノは切れ味勝負を望んでいないタイプだ。
その中でも逃げたジェネラーレウーノ田辺のペース配分は理解不能である。
田辺は日本ダービー後のコメントでも「遅い流れが良くなかった」とコメントしている。
つまり、遅い流れで、速い脚が使えないのが分かっているにも関わらず、逃げて、速い脚を使うレースを作り上げたのだ。
まったく意味がわからないが、馬主欄を見て、わかってしまった。そう、同馬主のエタリオウをアシストしている気がしてならないのだ。むしろ、そうじゃないと、どう考えても辻褄が合わない。これをエタリオウ目線で考えると、恐ろしく辻褄が合うのだ。
エタリオウは、日本ダービー、神戸新聞杯とスローから強烈な差し脚で上位に食い込んできた馬だ。そんなエタリオウの弱点がスタートである。スタートで後手を踏むので、いつも後方からの競馬になり、届かず2着が続いていた。そんな中、今回の菊花賞でも、エタリオウは序盤後方からのスタートになってしまう。しかし、道中ペースが緩いため、無理せずポジションを上げることができた。さらに、本来3コーナーからの下り坂でペースが上がるのが例年の菊花賞だが、まったくペースが上がらない。そんな中、エタリオウは外からジワジワとポジションを上げ、4コーナーの入り口では、先頭列に並んで直線を迎える。本来、下り坂でペースが上がれば、外から上げていく差し馬は、速いラップを距離をロスしながら回す形になるので、明らかに不利になる。こう見ていくと、エタリオウ目線で見ると、ジェネラーレウーノのレースメイクぶりは完璧なのである。
さらに、もう一つ。この超絶な瞬発力勝負を演出したことによって、エポカドーロの好走を防ぐことができたのだ。エポカドーロも基本的に速い脚が使えるタイプではないので、私は直線入り口、いや4コーナー前でエポカドーロの負けを確信しました(ええ、私はエポカドーロから馬券を買っていましたw)
結局、今回の菊花賞。レースとしては残り400mだけしか走ってないようなものです。相当なギアチェンジが求められたレースと言ってよいでしょう。フィエールマンは相当ギアチェンジ能力が高く、切れる馬だということですね。このレースで長距離適性があるとは思わない方が良いです。逆に、エポカドーロ、ジェネラーレウーノはまったく参考外のレースなので気にしなくて大丈夫です。