エプソムCはルメール騎手騎乗のレイエンダが勝ちました。
もうここまでくると、「ルメール買っとけばいいんじゃね」となりそうですね・・・
ただ、これだけ結果を出せる理由として、ルメール騎手の騎乗技術の高さがあります。
特に位置を取る感覚が長けていることを今回のレースで感じました。
今回鍵になったのは直前の雨による影響だと思います。
一般的に雨が降ると、馬場が重くなりタイムがかかるようになるため、ペースを必要以上に上げないように騎手は考えます。エプソムCでは、このような騎手の潜在的な意識がモロに出たように思います。まずは、今回のエプソムCのラップを見てみましょう。
エプソムCのラップ
ペースは51.3-45.2で+6.1秒のとんでもないスロー。
最後の600mレースラップが32.9秒。
結論を言えば、雨が降ったものの馬場は悪化していなかったということですね。
確かに、内側の馬場は少し痛んでいたのか、コースを空けているのが良く分かりました。が、全体的には馬場の悪化はさほど見られませんでした。そもそも、今年の東京の馬場は元々かなりの高速馬場。土曜日の段階でも馬場の影響はさほど見られなかったですし。
まとめると
・直前に雨が降った
・だが馬場は悪化していない
・逃げ馬(先行馬)が少ない
という条件が重なり、ルメール騎手は先行するという選択肢を選びました。
正直、先行する伏線はありました。
それは、近走レイエンダが後方からの競馬で結果を出せていないこと。後ろからで結果が出ていないことはルメール騎手も知っていたでしょうし、何かきっかけが欲しいと思っていたところで、先行させるというのは結構よくあるパターンです。
そんな中でのレース。逃げたのはサラキア。明らかにペースが遅くなるのは目に見えています。そんな中でレイエンダは2番手を確保。ペースは遅いものの、直前の雨の影響で騎手のペースを上げる意識は働かず、そのままドスローに。そして結果としてはレース上がりが32.9秒という直線だけの競馬に。
エプソムCを見て思い出したのが、レイデオロが勝った日本ダービー。
レイデオロ騎乗のルメールは、ペースが遅いと見るや、今までずっと後方からの競馬に徹していたレイデオロを先行させ、そのまま押し切り勝ち。奇しくも、今回のエプソムCで勝ったレイエンダはレイデオロの弟にあたる血統。この血統がこのような展開で勝てる血統だということも分かっての騎乗でしょう。
ペースを読み、先行できる柔軟性がルメール騎手の強さと言えるでしょう。