いよいよ、平成最後のGⅠ「天皇賞・春」です。
今回は、「フィエールマン」と「グローリーヴェイズ」の関東馬2頭に注目しました。
元々、関西でのレースはホームアドバンテージを生かして、関西馬が活躍するのが競馬の基本でした。
それが、去年あたりから関東馬が関西でのGⅠを総なめにするという状況が起きており、競馬の常識は変わりつつあります。
※そういえば、私が好きな阪神タイガースも、ホーム甲子園よりも神宮や横浜スタジアムでの成績の方が良い気が・・・
平成最後のGⅠで、競馬界の常識が変わったことを、この2頭が証明するのでしょうか?
実は、天皇賞春での関東馬の成績は悪くない?
一般的に、関東馬は関西GⅠでは成績を残しにくいというのが常識です。
では、過去10年の天皇賞春の関西馬と関東馬の成績を見比べてみましょう。
関西馬の成績
関東馬の成績
勝率は関東馬の方が高いですし、単勝回収率も関東馬の方が高いです。
天皇賞春に関しては、関東馬だから結果が残せないというイメージは捨てましょう。
グローリーヴェイズはディープインパクト産駒らしくない?
ひとつ見ていただきたいデータがあります。
これは天皇賞春の種牡馬別成績です。
ディープインパクト産駒は、いまだに勝利がありません。
偶然にも今回出走する関東馬2頭「フィエールマン」と「グローリーヴェイズ」はいずれもディープインパクト産駒。また打ち破らなければならない壁が現れました。
ですが、フィエールマンはともかく、グローリーヴェイズはディープインパクト産駒らしくない一面を持っています。基本的にディープインパクト産駒は、スローペースの切れ味勝負で強さを発揮する馬が多いのですが、グローリーヴェイズは逆の適性を見せているのです。
過去のレースを具体的に見てみましょう。
佐渡ステークス(1600万下)
ペースは57.7-58.9で1.2秒のややハイペース。
馬場が軽く、全体時計が速いこともあるが、前半もある程度速いなかで基礎スピードがあることも証明した一戦。前半が流れても、後半で鋭い脚を見せることができたのが、このレースの特徴。
日経新春杯(GⅡ)
ペースは58.3-62.4で明らかなハイペース。
途中、出遅れたメイショウテッコンが捲ったことで、乱ペースとなった一戦。
この一戦でも、レース上がりが37.7秒というレースを、上がり2位の脚で差し切り勝ち。
ディープインパクト産駒は、とにかく瞬発力勝負で分が良いイメージだが、この馬は長距離でのタフなレースにしっかり対応できていることが分かる。
フィエールマンは未知数な馬
昨年の菊花賞馬のフィエールマン。
だが、長距離適性があるかどうかは、実はまだ半信半疑だ。というのも、勝った菊花賞が長距離適性が求まられるレースではなかったからだ。
菊花賞に関しては、こちらの記事をご覧ください。
この記事を見ても分かるように、昨年の菊花賞は切れ味だけが求められたレースで、正直まったく長距離適性は求められなかった。では、フィエールマンは厳しいレース展開で鋭い脚が使えないかと言うと、そうでもないと私は思うのです。ラジオNIKKEI賞を詳しく見てみましょう。
ラジオNIKKEI賞(GⅢ)
小回りの福島1800mらしく、前半がしっかり流れている。
ペース的には46.3-47.4。最後の1ハロンが11.6秒で、前がペースを落とさずにゴールしているのが分かる。
そんな中で、フィエールマンは最後方から驚異的な追い込みを見せ、2着。前がペースを落としていない中で、これだけ差を詰めているのは素直に凄い。しかも、前半から流れた中で鋭い脚が使えているので、ある程度の基礎スピードを持っていることも分かる。
福島1800mというフィエールマンには向いていないコース形態で、これだけのパフォーマンスが出せたのは、この馬の適性能力の高さを表していると思う。
ただ、長距離適性があるかと言われると、まだ未知数。少なくとも、ある程度の基礎スピードを見せていることは確かだ。
天皇賞春に向けて
今回の天皇賞は、小頭数だが展開面で縦長になる可能性が高い。
というのも、逃げ馬がヴォージュとロードヴァンドールで、ヴォージュは是が非でも逃げたい馬。一方、ロードヴァンドールも阪神大賞典で、途中からハナを奪い、強気な逃げで3着に残っている。今回も阪神大賞典のようなレースを横山典弘は仕掛けてくるだろう。今日の青葉賞の逃げも見事だった。
予想ではヴォージュとロードヴァンドールが離して逃げて、ポツンと3番手にメイショウテッコンがいるイメージ。縦長になるイメージだし、枠順の影響は少ないと思われる。
関東馬2頭はジンクスを打ち破り、平成最後の天皇賞も勝ち切るのか注目だ。